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歴史的建造物の保全・保守(ヘリテージマネージャー)

長崎県におけるヘリテージマネージャーの活動について

ヘリテージマネージャー(地域歴史文化遺産保全活用推進員)は地域の歴史文化遺産を保存し活用して地域づくりに活かす能力を持った建築士である人材のことで、主として各県建築士会が独自のカリキュラムにより60時間の講習や演習により養成し登録しています。
本県においても平成26年度より講習を開始し、修了者は長崎県ヘリテージマネージャーとして登録され、県内各地で歴史的建造物にかかわる活動を行っています。
また、登録者団体である長崎ヘリテージマネージャー連絡協議会は長崎県建築士会と協力して活動の支援を行っています。
歴史的建造物について相談のある方は、近隣のヘリテージマネージャーを紹介しますので、長崎県建築士会事務局にご連絡ください。

△ヘリテージマネージャー講習会(第3期 指定文化財見学演習 聖福寺)

(公社)日本建築士会連合会によるヘリテージマネージャーのガイドライン

■目的

循環型社会における建築のあり方を見据え、地域に眠る歴史的建造物の保全・活用を推進することにより、地域固有の風景を回復しつつ誇りのもてる地域づくりに貢献することを目的として、建築士会は、ヘリテージマネージャーの育成・活用に取り組む。

■意義

循環型社会に移行しつつある現在、スクラップアンドビルドといった従来の建築生産 システムから脱却しストックの活用が求められている。 これまで蓄積されてきたストックは地域の文化を体現するものが多く、それらは地域 文化の文脈の中で活用し続けることにより、地域固有の文化の継承・発展に寄与することができる。
また、ストックの活用のための改修・修理に必要な伝統工法の知恵を学びつつ技術革新を加えることで改修・修理市場を開拓・定着させ、新たな建築生産システムを構築していくことが可能となる。

■専門家の役割と必要な能力

ヘリテージマネージャーの役割は、誇りのもてる地域づくりに貢献することにある。
そのために、ヘリテージマネージャーは、

  1. 1)地域に眠る歴史的建造物を発掘し、再評価する能力が必要である。
  2. 2)歴史的建造物の保全・活用提案ができる能力が必要である。
  3. 3)地域固有の文化・風景について常に研鑽し熟知していなければならない。
  4. 4)伝統工法の知恵に学ぶ謙虚さと確かな技術力が必要である。
  5. 5)地域に入り、地域の人たちとともに汗を流し、歴史的建造物が地域の財産として 地域ぐるみで大切にしていく環境づくりを 行っていく能力が必要である。
  6. 6)建築士が本来求められている職能と歴史的建造物の保全活用といった文化財保護的な考え方との両立ができる能力が必 要である。

本県における活動事例の紹介

  1. 1)地方自治体からヘリテージマネージャーへ歴史的建造物に関する調査、保全計画、保存設計を依頼され実施しています。
  2. △神代小路地区での長屋門復元のための調査

    △構成資産調査(旧佐世保鎮守府黒島田代変電所跡)

  3. 2)ヘリテージマネージャーは文化財ドクターとして被災地の文化財や歴史的建造物の被災調査や改修計画の策定を行っています。平成28年の熊本地震においては、本県を含む九州各地のヘリテージマネージャーが文化庁よりの依頼に応じ、熊本大分両県において事業を実施しました。また、島原半島への建築学会との合同自主検査も行っています。
  4. △熊本地震による島原地区被災調査(平成20年5月9日:西日本新聞より)

    △文化財ドクター事業による熊本地震被災調査

  5. 3)ヘリテージマネージャーのスキルアップを目的として、アドバンス講習会や文化財改修見学会等も適宜開催しています。
  6. △ヘリテージマネージャーへのアドバンス講習

    △英国領事館改修視察

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